通関は気が抜けない領域です。エラーや遅延なくスムーズに通関手続きを行う上で、発送人は重要な役割を果たします。DHLでは日常的に通関に関してお客様のサポートを行っており、初めて海外発送するお客様へ、何をどのようにして通関手続きを適正に行うのか、アドバイスをご提供することができます。
海外発送が不慣れな方にとっての課題は簡単にいうと「コスト」です。初めての方の中には、輸入関税と税金を当局に支払わなくてはならないことを知らない方もいます。物流会社に支払いを行えば、それだけでいいと勘違いしている方がいらっしゃいます。残念ながらそうではありません。この追加費用は物流会社とは関係がなく、発送先の政府当局が設定するものです。DHLでは、 マイグローバルトレードサービス (MyGTS)を提供しています。これは、海外発送を容易にするために必要なあらゆるツールをまとめた専用ポータルで、陸揚費の計算機能も含まれています。これにより、あらゆる輸送費や通関費用、関税、税金を含むドア・ツー・ドアの海外への商品発送コストを見積もることができます。このようなコストを事前に把握しておけば、ビジネスの予算管理に役立ちます。
2つ目の課題は、税関当局が求める情報と書類の量です。初めて海外に発送する場合、政府当局の手続きが複雑な国に発送する場合は、特に神経を使う必要があります。また、発送する品目が何かによっても大きく異なります。たとえば、テキスタイルや化粧品など特定のタイプの物品は、税関当局からの特別なライセンス、許可、または証明書が必要になる可能性があります。何を発送しているのか、生産国と仕向国はどこなのかによって、何の情報が義務付けられており、どのような書類が必要なのかを調べることが欠かせません。
Eコマース台頭により(コロナによってさらに加速)、税関当局は書面ベースや「事務的」なプロセスをやめて、効率の良いデータベースでの通関プロセスに舵を切り始めています。
このため、発送人は商品を出荷する際、完全かつ正確な情報を提供しなくてはなりません。特に運送状の情報には注意を払う必要があります。
発送人が適正な情報と書類をすべて提供しないか、不完全なデータや誤ったデータを貨物運送状に記入すると、最もうまくいった場合でも、運送業者からデータ不備の連絡があり、発送が一時停止されます。これによって配送が遅れるのは明らかです。
一方、物流会社が情報の不備を見つけられなければ、正しい情報と書類がすべて揃うまで発送品は税関当局で留め置かれます。この場合は、残念ながら、通関プロセスが完了するまで保管費用の負担を求められることがあります。いずれにしても、エンドカスタマー(受取人)は、商品の受領が遅れ、最悪の場合追加送料が発生する可能性もあり、貴社と物流業者の両方に失望するでしょう。これはなんとしても避けなくてはなりません!
特に重要なのは、発送人と輸入者(受取人)について正しく完全な情報を送り状に記載することです。フルネーム、住所、携帯電話番号、メールアドレスなどの連絡先を含む輸入者情報は必須です。仕向国で貨物が保留された場合、物流会社(また場合によっては税関当局)が輸入者に連絡できなくてはなりません。連絡が取れなければ、商品の輸入通関が遅れるか、貨物が発送人に戻されることもあります。
運送状で発送品の内容を正確に説明することも、スムーズな通関プロセスには非常に重要です(商品説明)。税関当局はこの商品説明を基に、発送データの分析し、何らかのセキュリティ・安全リスクが生じるのか判断します。また、商品説明は、他の重要な要素を判断する上でも欠かせません。輸出入統計品目番号(HSコード)もそのひとつで、支払うべき輸入関税と税金の金額に関わるものです。
運送状に商品説明を記入する際は、詳細かつ正確でなくてはなりません。どのような物品なのか、物品が何の目的で使われるのか、何で作られているのかを記入してください。たとえば、「アパレル」ではなく、「女性用100%コットン製Tシャツ」と記入します。よい記入例と悪い記入例の詳細については、DHLの詳しい関税ガイドを参照してください。
完全かつ正確な商品説明に加えて、もうひとつの重要な要素は、シッパーが送り状に輸出入統計品目番号(HSコード)を記載することです。HSコードに応じて、貴社が支払う輸入関税率が決まります。また、輸入に制限があるのか、ライセンスが必要なのかなども把握することができます。
HSコードは、世界税関機構(WCO)が策定した国際標準です。各輸入国には、それぞれのHSコードに応じた独自の関税率表があります(とてもたくさんあります)!
MyGTSは「HSコード検索」ツールで、商品を分類するための適正なHSコードを見つけられます。キーワードまたはコードディレクトリを使用して該当するHSコードを検索できます。
また、DHLは、輸出者が輸入者(受取人)に代わって輸入関税と税金を支払うことができるサービスも提供しています。発送の予約時に(発送人の顧客/商品の受領者に代わって)あらゆるDHL料金を貴社が支払うオプションを事前に選択した場合、DHLは輸入関税・税金を支払った後、貴社に請求します(他の通関関連の費用も適宜含まれます)。このサービスは、DHL Duty Tax Paid(DTP:関税込み持込渡し)と呼ばれています。詳細については、DHL Expressの担当者にお問い合わせください。
喜んで関税と税金を支払うシッパーはいませんが、誤ったHSコードを適用して故意に関税率を下げることはしないでください。これが見つかると、適正な関税率を支払うだけでなく、税関当局から罰金を課されたり、最悪の場合は刑罰の対象になる可能性さえあります。
発送人が関税と税金の費用を削減するために試すもうひとつの方法は、発送品の価額を過少申告することです。DHLでは、これに強く反対しています!
運送状では販売した商品の価額を100%明確に申告することは非常に重要です。使用するインコタームズに応じて、運賃と保険を合算して記載する必要もあります。
商品の過少評価が疑われる場合、税関当局は受取人に連絡し、支払い証明または購入製品のレシートのコピーを提供するよう求めます。当局はこれを運送状で申告された価額と比較します。
過小評価が確認されると、税関当局は(商品の真正な価額に基づいて)適正な金額の輸入関税・税金を課すだけでなく、罰金を課して過去の発送品の監査を要求することもあります。
連絡先の詳細のほか、税関当局が荷主、受取人、または両方からさまざまなIDを求めることが増えています。たとえば、受取人の運転免許証番号やパスポート番号、IDカードのコピーを提出するよう求める場合もあります。一部の国の当局は、受取人のIDを確認するため、スマホにアプリをインストールするよう受取人に要請することさえあります。
必要に応じて、貴社(発送人)は輸入者のIDを(事前に)取得し、発送を準備する際にこの情報を提供するようお勧めします(特定の輸入国で必要な場合)。これにより、物流会社はこの情報を集めるために受取人に連絡する手間が省けるため、仕向国での輸入通関プロセスが迅速になります。
違法な輸入業者を取り締まっている当局を責めることはできません。偽造したIDを使って物品を発送または受領しようとしている人がいれば、それは違法となります。
ECサイトで商品を販売している場合は、購入者の国でVATに登録し、運送状に仕向国のVATとともに発送人のVAT登録番号を記載するよう求められる場合があります。この場合、輸入VATは発送品の通関時に支払う必要があり、後日、控除することはできません。また、輸入関税VATを販売者から支払う方法もあります。これは、販売者が商品の販売時にVATを事前に計算し、一元的に当局に支払う方式です。オーストラリアや欧州連合など、世界中でこのトレンドは高まっています。
たとえば、オンラインで商品を欧州連合(EU)に販売する際は、DHLの関税込み持込渡し(DTP)を使用できます。DHLは輸入後、当局に輸入関税VATを支払った後、貴社に請求します。または、貴社が欧州連合の輸入ワンストップショップ(IOSS)システムに登録し、商品の購入時にオンライン売主がVATを徴収することもできます(その後、オンライン販売者は、月次でVAT還付時に一元的にEUで税務当局に支払います)。
あらゆる通関書類や規制の伴う海外発送は複雑なように見えます。しかし、DHL Expressのグローバルトレードサービス(MyGTS)は無料の使いやすいプラットフォームで、海外発送のあらゆる側面を管理できます。
商品のHSコードを見つけ、陸揚費を見積もり、発送前に各国の輸入制限に関するガイドを得られる簡単ですばやいツールです。
MyGTSを利用して、海外市場で新たにビジネスを広げましょう。限界はありません!こちらから登録してください。
関税と税金に関わる輸入費用を調べましょう。特定タイプの商品ではどのような情報と書類が必要なのか調べてください。さまざまな国でその製品の輸入制限を調べてください。
最初から正しくこれらを事前に行うことで、将来の問題を低減できるだけでなく、エンドカスタマーも最良の体験ができます。
最後に重要なのは、発送品を準備する際、次のような完全かつ正確な情報を運送状で提供し、データ不備によるあらゆる種類の遅延を避けることです。
完全かつ正確な情報を事前に(発送品を準備する際に)準備すると、遅延のを回避することができます。
お客様にできる限り最良の経験をしてもらうことで、リピーターになるよう促すことができます。
世界で最も国際的な企業として、DHL Expressは220か国以上で事業を行っており、貴社が国際貿易にうまく適応できるようサポートいたします!
詳細については、DHLのグローバル通関関ガイドラインをこちらからダウンロードしてください。