#物流ヒント

海外発送における荷物の梱包:トラブルを防ぐ梱包のコツと手順

5 minutes
a japanese businesswoman packing products for export from japan

日本から海外へ荷物を発送するご予定はありますか?大切な商品を丁寧に扱うことはもちろんですが、国際発送ではそれ以上にしっかりした梱包が求められます。国内輸送とは異なり、海外までの輸送は長く、過酷な環境にさらされることもあるため、丈夫で安心できる梱包が欠かせません。海外のお客様は、商品が予定通りに届くのはもちろん、商品が安全で良好な状態で届く包装を期待しています。

荷物が安全に到着し、海外のお客様から高評価を得るために、日本からの海外発送における出荷準備のステップを紹介します。重要なポイントをおさえ、海外発送の梱包方法を学んでいきましょう。

 

1. 荷物の内容品のチェック

荷物の重量と形状

荷物を梱包する前に、まずは発送するものについてよく調べましょう。荷物の重さは、梱包材の強度や種類に大きく影響します。荷物の重さによっては、海外発送の長距離輸送に耐えられる頑丈な箱や二重梱包が必要です。

 

荷物は標準的な箱に収まるサイズですか?

荷物は、窮屈すぎず、かつ過度な隙間がない標準サイズの箱に収めましょう。もし標準的な箱に収まらない場合、特殊な形状やサイズとみなされてしまうことがあります。特殊な形状やサイズとは、海外発送の仕分け施設において使用されているベルトコンベアに載せられない荷物のことを指します。具体的には、円筒状の物や突起物、異常に長かったり平らだったりするものが該当します。以下は、DHL Expressの海外発送用の標準的な箱のサイズです。これを参考に、荷物が収まるかどうかを判断してください。

 

タイプ

サイズ(cm) L x W x H

箱重量

推奨される梱包総重量

エンベロープ1(封筒)

35 x 27 x 1

-

0.50kg

スタンダードフライヤー

30 x 40

-

2kg-

ラージフライヤー

47.5 x 37.5

-

3kg-

Box 2

33.7 x 18.2 x 8.1

0.15kg

1kg

Box 3

33.7 x 32.2 x 9.2

0.24kg

2kg

Box  4

33.7 x 32.2 x 18

0.32kg

5kg

Box 5

33.7 x 32.2 x 34.5

0.77kg

10kg

Box 6

41.7 x 35.9 x 36.9

0.98kg

15kg

Box 7

48.1 x 40.4 x 38.9

1.18kg

20kg

Box 8

54.1 x 44.4 x 40.9

1.48kg

25kg


2. 梱包材の選択

環境に配慮した梱包の重要性

世界的に、海外発送において環境に配慮した取り組みへの関心が高まっています。日本からの輸出を検討する企業にとって、環境に配慮した梱包資材を選ぶこととても重要です。こうした取り組みは、環境意識の高い海外のお客様から好感を得ることに繋がります。

リサイクル素材であることが記された梱包材を使い、無駄な包装を減らすことでも環境への配慮を示すことができます。海外の多くの国々では、過剰な梱包に対して敏感な消費者が多く、リサイクルできない素材が使われている場合には否定的な反応を示すこともあります。

 

内装梱包(商品自体の梱包)

商品そのものを適切に梱包するためには、まず箱の底にしっかり緩衝材を敷きましょう。エアクッションや発泡スチロールのブロックやチップ、エアキャップなどを使用すると、海外発送中の衝撃をしっかり吸収することができます。

 

外装梱包(配送用の梱包)

商品を安全に発送するためには、外装梱包が最初の防衛ラインとなります。輸送中の衝撃や振動から中身を守るために、しっかりした梱包は欠かせません。梱包には、できるだけ新しく、可能な限り発送する商品の箱より6cm程度の余裕がある箱を選びましょう。大きすぎる箱は、容積重量計算により高額な料金が発生することもあるため、適切な箱のサイズを選ぶことでコストを抑えることができます。

DHL Expressのウェブサイトでは、海外発送の梱包に関するアドバイスをご紹介しています:

適切な梱包資材

● 最適な梱包方法

● 適切な密閉方法と発送ラベルの貼り付け

梱包に関するアドバイスには、電子機器やアパレル関連品、大型およびパレット、温度管理品に関するガイド一覧(一部英語のみ)もあります。

 

DHL Expressのアカウントを開設されたお客様には、各種梱包資材を無料でご提供しています。発送準備の負担を軽減し、スムーズな出荷をサポートいたします。

3. 荷物をしっかり閉じるには?梱包の仕上げ

海外発送では、梱包した荷物をしっかりと閉じることが非常に重要です。箱のすべての縁と継ぎ目を丈夫なテープでしっかり固定し、特に箱の角やフタの合わせ目などは補強しておきましょう。こうしたテーピングの方法は、輸送中の圧迫や衝撃から荷物を守るために不可欠です。特に海外輸送では長時間の移動や積み替えがあるため、荷物が途中で開いたり破損したりしないよう、確実な閉じ方が求められます。

 

H字貼り方法

箱を確実に閉じるなら「H字貼り」が基本です。

1.底面中央の外箱を閉じるようにまっすぐ貼ってください。

2.底面外箱の両面に沿って貼ってください。

3.箱上面と底面の蓋部分と側面の角部分すべてテープで固定します。

H字貼りは海外発送の標準的な梱包方法です。詳しくはこちら

通関検査時の荷物の開封について

海外発送の際に理解しておくべき重要な点は、目的地の国の税関職員により荷物が開封される可能性があることです。この検査は一般的な安全対策であり、荷物を開封して内容品を確認し、再度封をすることもあります。

税関当局によって検査のため荷物を開封されても、内容品の状態を損なわないために考慮しておくべき梱包のポイント:

  • 発送する商品の梱包をしっかり行う:特注サイズの緩衝材や頑丈な段ボールの仕切り、エアキャップ(気泡緩衝材)などのしっかりした資材を使い、箱の中でそれぞれの商品を固定します。これにより、箱の中での商品の移動を防ぎ、検査中や輸送中の乱雑な扱いから中身を守ることができます。 
  • 個々の商品をしっかり包む:それぞれの商品を別々に包むことで、さらなる保護を行います。箱の中で一つの商品が動いたり、税関による検査の際に多少乱雑に扱われたりしても、他の商品に影響を与えにくくなります。 
  •  透明な緩衝材の活用でスムーズな税関検査を:内容品に適した場合は、透明な袋などの資材で梱包をすることで、税関の職員がすべてを開封せずに内容品を確認することができるようになります。 
  •  過度な箱の密封を避ける:海外輸送では、箱をしっかり閉じることが大切です。しかし、複雑にテープを貼りすぎると、税関などで荷物が開封された際に元通りに閉じるのが難しくなる場合があります。H字貼りの方法は一般的かつ効率的な方法です。 
  •  内容品リストの添付でスムーズな通関を:外側に内容品のリストを添付し、また箱の内部にも詳細な内容品のリストを入れておくと、税関職員が中身をすばやく把握できます。これにより、荷物が開封される可能性をできるだけ減らすことが期待できます。 
  •  壊れやすい中身の梱包方法:壊れやすい中身には、追加の緩衝材を入れ、箱の中央に配置して箱の壁面から距離を保つことで、輸送中や検査で箱が開けられた際の損傷リスクをできるだけ減らせます。

 

4. スムーズな海外発送のための取扱いラベルの貼付け

automated sorting machine scanning a package on a conveyor belt

海外発送の際は、運送状や取扱いラベルを箱の上面に貼り付け、荷物の上下が一目で分かるようにしましょう。古いラベルや不要なシールは必ず取り除き、他のラベルと重ならない位置に貼ることで、配送中の混乱や誤配送を防ぐことができます。

荷物にコマーシャルインボイスなどの内容品の詳細書類が必要な場合は、プラスチックポーチやビニールポーチなどに入れ外部にしっかりと貼り付けます。国際標準の取扱いラベルを使用し、運送状には発送情報が明確かつ正確に英語で記載されていることが重要です。日本語のラベルを含める場合も同様です。

 

海外発送における標準的な取扱いラベル

Keep Dry(濡らさない):箱の内容物は過剰な湿気を避け、輸送中は濡れない環境下で保管される必要があることを示します。

Fragile/Handle with Care(壊れ物/取り扱い注意):箱の内容品はデリケートな品物が含まれており、海外発送におけるすべての工程で破損や損傷を防ぐため、慎重に取り扱う必要があることを示します。

This Way Up(天地無用):このラベルの上向きの矢印は、箱を保持、輸送、保管するすべてにおいて、正しい箱の向きを明確に示すことで内容物を守ります。

 

日本からよく発送される商品の梱包に関するアドバイス

ガラス製品

ガラス製品は、複数枚重ねたエアパッキンなどで1点ずつ丁寧に包み、強度のあるしっかりした箱に入れて梱包します。中で内容物同士がぶつかったり動いたりしないよう、適切な緩衝材や仕切りを使って固定することが重要です。また、輸送中に箱の中で動かないように、隙間ができないよう緩衝材をしっかり詰めてください。こうすることで、破損リスクを最小限に抑えることができます。

加工食品

加工食品の場合は、密閉できる商品用の包装を使用し、必要に応じて温度管理ができる方法を考慮する必要があります。また、国際的な食品輸送の規制に従い、内容物や温度に関する要件をはっきりと明示することが大切です。真空パックにすることで、保存期間を延ばすことができ、包装は温度の変化や輸送の遅れにも耐えられるしっかりしたものである必要があります。

電子機器

電子部品を発送する際は、静電気防止袋(帯電防止袋)を使用し、製品に合わせた専用のフォーム緩衝材などでしっかり固定して、衝撃や振動によるダメージを防ぎましょう。

また、「割れ物注意」や「天地無用」などの取扱い指示ラベルを荷物の外装に明確に表示することで、輸送中の事故を防ぐ効果が高まります。

 

DHL Expressで日本から発送

海外発送の梱包方法を知っておくことで、荷物を目的地に安全に到着させることができます。

グローバル展開を目指す日本企業にとって、DHL Expressでの海外発送を検討いただくことは、専門的な荷物の取扱いやDHL Expressならではのサービス利点を活かすだけでなく、発送のための梱包をサポートすることができます。

DHL Expressのアカウントを開設し、すぐに発送を開始しましょう!