海外市場への進出を検討していますか?それは、ビジネスの可能性を一気に広げる大きなチャンスです。国境を越えて商品を届けられるようになれば、世界中の新しい顧客とつながり、これまで想像もしなかった市場にアクセスできるようになります。海外のニーズを取り入れながら事業を展開することで、ブランドの認知の向上や売上拡大につながるだけでなく、企業としての成長を大きく加速させることができます。
しかし、初めて海外へ商品を発送する場合、「どこから始めればよいのか分からない」と感じる方も多いでしょう。Eコマース事業を拡大する企業にとっても、国際物流の基本を理解することは不可欠です。
本記事では、国際物流をスムーズに始めるための重要なポイントを、分かりやすくまとめました。基本を押さえておくことで、配送トラブルや通関の遅延といったよくある問題を避け、自信を持って海外発送を進めることができます。
国際輸送の方法:覚えておきたい7つの重要ステップ
1.書類を準備する
国際輸送では、通関手続きのために必要な情報や書類を提出する必要があります。多忙な中小企業やスタートアップにとっては負担に感じるかもしれませんが、正確な書類を準備することは非常に重要です。
不備があると、通関の遅延、追加費用、さらには荷物が受け取られない可能性もあります。発送前に出荷情報と書類の内容をしっかり確認しましょう。
代表的な必要書類:
コマーシャルインボイス(Commercial Invoice)*1: 国際取引および出荷する商品について詳細を記載する書類です。記載内容には以下が含まれます。
- 商品の詳細な説明
- 関税分類コード(HSコード)
- 商品価格と通貨
- 重量
- 販売条件
- その他必要な取引情報
通関業者はこの情報をもとに税関申告を行います。そのため、内容が正確かつ完全であることが重要です。不備があると通関遅延や罰則につながる可能性があります。
*1 インボイスの詳しい作成例は、こちらをご参照ください。
航空貨物運送状(Air Waybill):貨物の「パスポート」ともいえる輸送書類で、貨物に関する情報が記載されています。運送状は荷物の外側に貼付され、記載された追跡番号(Tracking Number)を使えば、輸送中の状況を関係者がいつでも確認できます。
原産地証明書(Certificate of Origin):商品の製造国を証明する書類です(例:「Made in China」など)。すべての国際輸送で必要なわけではありませんが、配送先の国(または輸出先の国)や商品、貿易協定によって必要となる場合があります。事前に輸出入要件を確認しておきましょう。
国際輸送に必要な主要な書類について詳しくは、「海外発送に必要な書類とは?」の記事もご参照ください。
2. 商品を分類する
国際輸送されるすべての商品には、その性質を正確に表す特定のコードを割り当てる必要があります。これは正式には関税分類コードと呼ばれ、世界中の税関当局で使用されている国際的に認められたシステムです。国際的にはHSコード(Harmonized System Code)として標準化されており、輸出入の際はこの番号で商品が分類されます。
例えば、
- 綿のTシャツとポリエステルのTシャツ
- リチウム電池と携帯電話
これらは見た目が似ていても、それぞれ異なる関税分類コードが割り当てられます。
このコードは、次のような重要な項目を決める基準になります。
- 関税・税金の金額
- 輸出入に必要な規制や規制の有無
- 政府の貿易統計データ
コマーシャルインボイスには、発送する各商品のHSコード(関税分類コード)を記載する必要があります。HSコードは国際的に使用される商品分類番号ですが、国によって桁数や名称が異なる場合があります(例:米国ではHTSコード)。可能であれば、輸出国と輸入国の両方のHSコードを記載すると通関手続きがよりスムーズになります。誤ったコードを使用すると、通関の遅延や罰金、税金計算の誤りにつながる可能性があります。
3. 商品を正しく梱包する
国際輸送において、梱包は最も重要な要素の一つです。梱包が不十分だと、配送の遅延、破損、さらには配達拒否につながる可能性があります。一部の商品には、国際配送規制を遵守するために、特定の梱包要件(例:重量物、危険物など)が適用される場合がありますのでご注意ください。
国際輸送における商品を適切に梱包する方法は次のとおりです。
適切な種類の箱を選ぶ:重い商品や壊れやすい商品には、二重壁の段ボールを使用します。箱のサイズは内容物に合わせてください。中身が不足している箱は潰れ、詰め込みすぎている箱は破裂する可能性があります。箱内の空きスペースを最小限に抑えることで、配送コストを削減できます。
緩衝材を使用する:特に壊れやすい商品や高価な商品は、気泡緩衝材(バブルラップ)、発泡スチロール、エアピローなどの緩衝材を使用して中身を保護しましょう。輸送中に商品が動いて破損するのを防ぐため、箱を軽く振っても中身が動かない状態にすることが重要です。
配送ラベルを箱の上部に貼り付ける:はっきりと見えるようにしっかりと固定してください。バーコードや住所欄にテープを貼らないでください。スキャンの妨げになる場合があります。
1つの航空貨物運送状で複数の箱を送る場合は、1箱に原本、その他の箱にコピーを貼付し、「1/3」「2/3」「3/3」など総箱数を明記します。
4. 輸送サービスを選ぶ
海外発送をスムーズに行うためには、目的に合った輸送サービスを選ぶことも重要です。国際輸送には、国際郵便、クーリエ(国際宅配便)、フォワーダー(貨物輸送業者)などさまざまな方法があり、配送スピード、料金、対応エリア、通関サポートの有無などを比較して選ぶ必要があります。特にビジネス用途では、追跡機能やドア・ツー・ドア配送に対応しているかどうかも重要なポイントです。
例えばDHL Expressでは、書類・貨物の両方に対応した信頼性の高い国際輸送サービスを提供しています。220以上の国と地域へのドア・ツー・ドア配送に対応しており、配送時間の選択肢も豊富です。
また、荷物の追跡機能により、集荷から配達までの状況をリアルタイムで確認できます。
DHL Expressの輸送サービスの詳細はこちら
5. 制裁対象・規制対象を確認する
国際配送を行う際には、特定の個人や団体、地域への輸送を禁止または制限する国際的な貿易規制を遵守する必要があります。国際輸送では、安全保障や外交政策の観点から、取引が制限されている相手が存在するため、発送前に確認することが重要です。
多くの国や国際機関は、安全保障や外交政策の観点から、取引を禁止または制限している相手をまとめた制裁リス(輸出禁止対象者リスト)を公表しています。代表的なものとして、国連安全保障理事会、欧州連合(EU)、米国政府などが発表している制裁対象リストがあります。
DHL Expressではポリシーに基づき、規制対象となる軍事関連品目の輸送や、これらの制裁リストに掲載されている個人・団体による、またはそれらに向けた出荷を受け付けていません。
国際貿易に慣れていない企業にとっては見落としがちなポイントですが、こうした規制を確認せずに取引を進めてしまうと、以下のような深刻な結果につながる可能性があります。
- 貨物の輸送停止や差し止め
- 通関の停止
- 罰金や行政処分
- 法的措置
そのため、海外へ商品を発送する際には、取引先や配送先が制裁対象や輸出禁止対象に該当していないかを事前に確認することが重要です。
国際ビジネスを円滑に進めるためにも、最新の国際貿易制裁や禁輸措置に関する情報を把握し、必要に応じてデューデリジェンス(事前調査)を行い、取引に問題がないかを確認するようにしましょう。
6. 制限品と禁止品を理解する
安全・法律・規制上の理由から、国際輸送では一部の商品が禁止または制限されています。
例として、
- リチウム電池
- 香水
- 一部の電子機器
などは特定の輸送条件や書類が必要になる場合があります。
発送前には以下を確認してください。
- 輸送会社のガイドライン
- 出荷元の国と輸出先の国の規制
- 必要な許可書類
また、民間用途と軍事用途の両方で利用可能なデュアルユース品(両用可能品)については、追加の輸出規制が適用されることがあります。例えば、半導体、通信機器、精密機器、ドローンなどはデュアルユース品として扱われ、用途や輸出先によって追加規制の対象となる場合があります。
7. コストを計算する
国際輸送では、総コストを事前に把握することが重要です。見落としがあると、利益率の低下や顧客とのトラブルにつながる可能性があります。
主なコスト要素は次の通りです。
- 配送料:サイズ、重量、発送元、配送先、配送スピードによって決まります。
- 関税・消費税:HSコード(関税分類コード)、申告価格、商品種類などに基づいて各国の税関で課税されます。
また、関税や税金の支払い方法も事前に決めておく必要があります
- DTP(Duty Tax Paid:関税・税金を発送元が支払う)
- DTU(Duty Tax Unpaid:関税・税金を受取人が支払う)
どちらを選択するかによって、受取人の負担や配送時の手続きが変わるため、取引条件に合わせて設定しましょう。
追加料金:遠隔地配送、燃油サーチャージ、大型貨物、特別取扱いなどが該当する場合があります。
MyGTS(マイグローバルトレードサービス):国際配送をより簡単に
国際配送の手続きをさらに効率化するために、DHL ExpressではMyGTS(My Global Trade Services)というオンラインツールを提供しています。
この無料の通関情報ポータルサイトでは、次のような機能を活用できます。
- 総陸揚げコスト試算(輸送費の概算計算)
- 出荷前プラン(Pre-shipment Planner)
- HSコード検索(Tari Code Finder)
- 各国の輸出入規制の確認
- 通関書類テンプレートの取得
- 商品カタログ管理
- トレードレーン⽐較(Trade Lane Comparison)
輸送費の概算や規制情報を事前に把握できるため、適切な価格設定や顧客への透明性の高い配送案内にも役立ちます。
国際輸送では、輸出入規制や通関手続きを正しく理解することが成功の鍵となります。必要に応じて税関の専門家や法務アドバイザーに相談し、常に最新の規制情報を確認することが重要です。
適切な準備を整えれば、国際輸送は決して難しいものではありません。
ぜひDHL Expressのサービスを活用し、迅速でスムーズな海外配送を実現しましょう。