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知っているようで知らない、HSコードとHTSコードの違いとは?

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businesswoman shipping from japan searching for hts code

このような経験はありませんか。日本から発送した貨物が、仕向地の税関で留め置かれています。HSコードやHTSコードの不一致を指摘され、通関業者や税関当局とのやり取りに忙殺されるうちに、顧客側はフラストレーションがたまり焦り始めます。

きっと、あなただけではありません。輸出入を行う貿易実務者の多くは、多岐に細分化された分類コードに圧倒され、混乱した経験があると思います。

国際発送おいて正確な商品分類は、スムーズで効率的な輸出入の基礎です。誤った分類は、遅延や税額の追徴、さらには商品の差し押さえにつながる可能性もあります。輸出入をスムーズに行い、円滑で効率的な貿易実務を実現するために、HSコードとHTSコードの意味や違いを押さえておきましょう。

HSコードとは? 

貿易で取扱う膨大な商品の種類を、国際標準で統一的に分類するために導入されているもの、それが HSコード(Harmonized System Code です。多くの国で採用されている最も基本的な商品分類コードで、世界税関機構(WCO)によって開発・維持されているこの標準化されたシステムにより、世界中の税関当局と企業は、商品の分類に関して共通の判断をすることができます。正確な通関手続きや関税計算において、まさに不可欠なシステムです。

HSコードは6桁の数字を基本とし、「類」(Chapter)、「項」(Heading)、および「号」(Sub-heading)で構成されています。この階層構造により、生きた動物から小さな金属部品、食品などの日用品に至るまで、あらゆるものを分類することができます。世界標準として、HSコードはあらゆる国の関税制度の基礎となっており、貿易統計データの収集や分析などにも活用されています。

HSコードの一例:

  • 類:最初の2桁(例:コーヒー、紅茶、マテ、スパイスは09)
  • 項:次の2桁の数字で、チャプター内のカテゴリーを指定する(例:フレーバーの有無にかかわらず、紅茶の場合は0902)
  • 号:最後の2桁で、より具体的な分類を示す(例:緑茶(発酵していない)は0902.10)

HTSコードとは? 

HSコードは貿易の国際的な共通コードですが、各国は自国固有の輸入関税や統計上の必要性を満たすため、HSコードのシステムをベースに、独自の関税政策に合わせた分類を追加することがあります。その代表例が、米国で採用されているHTSコード(Harmonized Tariff Schedule)です。HTSコードはUnited States International Trade Commission(USITC)が管理する米国独自の関税分類制度で、HSコードをベースとしつつ、米国の輸入要件や国内法に合わせた細分化が行われている点が特徴です。

このHTSコードは、6桁のHSコードをベースに、最大4桁の分類を独自に追加して拡張しています。最初の6桁は国際的なHSコードと一致していますが、その後の桁は米国固有のものです。l

例えば、緑茶を例にした米国HTSコードの分類:

  • HSコード:0902.10  (緑茶(発酵していないもの))
  • 米国のHTSコード:0902.10.10(Green tea, not fermented, in packages exceeding 3 kg )
    最後の10 は、HTS特有の追加分類です。つまり、パッケージに含まれる茶葉の量によって、独自に分類を細分化しています。

HSコードとHTSコードの比較: ひと目でわかる主な違い 

では、HSコードとHTSコードの違いを簡単に比較してみましょう: 

特徴

HSコード

HTSコード

使用範囲

グローバル

米国 

長さ

6桁

8から10桁

目的

国際標準の分類

国独自の分類

使用

世界各国での輸出入申告時に使用

特定の国(米国)での輸出入申告時に使用

 

DHL Express による分類のサポート

HTSコードは大きくセクションやチャプターに分かれ、そこからさらに具体的な番号が付与されます。単に商品名だけではなく、材質、用途、含有量など多角的な観点から細分化されます。誤った分類は、通関手続きの遅れなど、非効率な輸出入業務に直結してしまいますので、企業および担当者は、品目ごとの詳細を把握しておく必要があります。

では、どのようにして正しいHTSコードを見つけるのでしょうか?基本的には、まずは該当の商品についてHSコードに基づき、6桁の分類を特定することから始めます。次に、仕向け国でその国の基準を参照し、より細分化されたコードを見つけ出す必要があります。

正しい分類をすることに不安がある場合は、取引のある通関業者や国際物流企業に相談することが大切です。例えばDHL Expressでは、お客様の個別の貨物について要件を確認し、商品の分類や輸送料金のお見積りを算出するお手伝いをいたします。

また、MyGTS(マイグローバルトレードサービス)のような、無料の通関情報ポータルを利用することもできます。このツールでは、輸出入国を指定し、商品説明を入力することで、関連するHSコードやHTSコードを検索することができます。

HSコード、HTSコードについて、よくある質問

いいえ、HTSコードはHSコードとは異なります。HSコードは商品を分類するための6桁の国際標準のシステムですが、HTSコードはHSコードを国別に拡張したもので、最大10桁で構成されるものです。

HSNコードはHarmonized System of Nomenclatureを略したもので、HSコードと同じ意味をもちます。国によっては、例えばインドではHSコードよりもHSNコードと呼ばれることが一般的で、HSコードと同様に、関税や減免税、物品サービス税(GST)などの評価のために使用されています。

複雑な通関手続きもDHL Express がサポート

customer dropping a shipment off at a dhl express service point

国際発送には、HSコードとHTSコードの違いなど、貿易実務者を悩ませる場面が数多くあります。正しい知識や情報は、正確な税額や送料を算出し、円滑な国際ビジネスには不可欠です。DHL Expressは、国際輸送での豊富な経験をもとに、包括的なサービス、使いやすい各種ツールをご提供し、お客様の貨物を正確に分類し、不必要なコストやトラブルを回避し、日本発着の貨物をスムーズかつ効率的に輸送するお手伝いをいたします。

国際輸送でお悩みでしたら、まずはDHL Expressにご相談ください。