革新とトレンド: 化粧品の科学の時代
長い間、化粧品業界で主導とされていたのは美的な要素でした。例えば、完璧に美しく表現された広告のモデルや、オンラインショップにならぶ高級ブランドの贅沢にパッケージされた商品などを見るとわかりやすいかもしれません。しかし、現在、消費者は化粧品を単なるブランドや見た目といった切り口ではなく科学として捉えるようになっています。消費者は購入前に美容製品の成分や身体への効果を慎重にリサーチしています。市場調査機関のMintel(ミンテル)社2は、こういった消費者の動向を「SOPHISTICATED SIMPLICITY(洗練されたシンプルさ)」と表現しています。
このようなトレンドの中で、The Ordinary(オーディナリー)社3のようなサイエンス・ファーストのアプローチでスキンケアを提案したブランドが驚異的な成長を遂げています。2013年に設立されたこの会社は、効果的な臨床テクノロジーを駆使して製品開発をおこない、高品質な成分と透明性の高いコミュニケーション、そして手に取りやすい価格の3点にこだわってビジネスを展開しました。革新的な製品の科学的アプローチをアピールするため、華美なパッケージは避け、医薬品風なデザインのパッケージを採用。この独自のマーケティング戦略によって、2021年には40カ国以上のウェブサイト上で最も検索されているスキンケアブランドとなり4、さらに「世界中で1秒にひとつ売れている」ブランドとなりました5。他にも、ラ・ロッシュ・ポゼ(LA ROCHE-POSAY)やCeraVe(セラヴィ)といった一流ブランドが同様のマーケティング戦略を展開しています。
”世界的な“成分ブーム”の波に乗って急成長中のThe Ordinary(オーディナリー)は2024年5月29日に待望の日本上陸を果たしています。”