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中小企業向け物流対策に向けた13のヒント

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この記事の内容
中小企業向けの物流課題を改善する13のヒント
よくある物流の疑問にお答えします

ピークシーズンがもうすぐ到来―中小企業の皆さまにとって一年で最も忙しいタイミング。季節商品の在庫需要から出荷期限の管理まで、やるべきことが山積みかもしれません。
でも、ご安心ください。DHLは頼れるパートナーとして、皆さまの業務をスムーズに進めるお手伝いをいたします。

この記事では、中小企業向けの物流のヒントをご紹介。ピークシーズンだけでなく、年間を通じてスムーズに物流を回すためのポイントを押さえましょう。

 

ピークシーズンも安心!中小企業向け物流の13のヒント

1. 季節商品の在庫を計画的に管理する

1. 季節商品の在庫を計画的に管理する

    

ピークシーズンと呼ばれるのには理由があります。クリスマス前の1か月間で、年間売上の50%以上を占める小売業者も珍しくありません。過剰在庫や在庫不足を防ぐためには、在庫管理ソフトの活用がおすすめです。過去の販売データや季節ごとの傾向を分析し、より正確な需要予測を可能にします。さらに、リアルタイムで在庫状況を把握できるほか、補充が必要なタイミングで自動的に発注を行う機能も備えているため、在庫切れの心配もありません。

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2. AIを活用する

人工知能(AI)は、中小企業の物流を効率化し、時間とコストの削減に貢献しています。ピークシーズンを前に、検討すべきテクノロジーの一例をご紹介します:

  • 自動化された倉庫システム – ロボティクス技術を活用して、ピッキング、仕分け、梱包などの主要な倉庫業務を自動化できます。人手よりも迅速かつ正確に注文処理が可能です。
  • 売れ行きに応じた価格調整 – AIと機械学習を搭載したスマートソフトウェアが、リアルタイムで販売データを分析し、価格を自動調整します。たとえば、動きの鈍い在庫に対しては、ウェブサイト上で自動的に割引を適用することができます。
  • 定型的な問い合わせ対応の自動化 – AIチャットボットを使えば、繁忙期でも高品質なカスタマーサービスを提供可能です。顧客の質問に正確に回答するだけでなく、過去の閲覧履歴をもとにパーソナライズされたギフト提案も行えます。人間のオペレーターと異なり、チャットボットは24時間365日稼働でき、同時に無制限の問い合わせに対応できるため、販売機会を逃しません。

 

物流におけるAI活用:生産性向上のカギ

Retail AI Councilの報告によると、従業員の36%が、在庫管理、売上予測、業務効率化などの業務に生成AIを活用しています(1)

                                                                                                                                                                                                    

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3. 複数の販売・配信チャネルでコンテンツを作成する

ECビジネスを展開している企業では、顧客との接点や販売チャネルが複数にわたることが一般的です。オンラインマーケットプレイス、アプリ、SNSなど、さまざまな接点で顧客とのやり取りが発生します。オムニチャネル型のマーケティングプラットフォームを導入すれば、すべてのチャネルで一貫したメッセージを発信することが可能になります。このようなソフトウェアは顧客データを分析し、顧客の意図や好みを詳細に把握したうえで、パーソナライズされたメッセージを作成します。その結果、より魅力的で関連性の高いプロモーションを展開することができます。

 

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4. ウェブサイトをしっかり整備する

ピークシーズンには、ECサイトへのアクセスが急増します。ページの読み込み速度が落ちることなく、増加する訪問者に対応できる準備はできていますか?

以下の方法で、事前にチェックと対策を進めると安心です:

  • ウェブで使用する画像を軽くしたり、ブラウザの一時保存機能を活用したり、CDN(世界中のサーバーを使ってサイトのデータを届ける仕組み)を導入することで、ページが素早く表示されるようになります。
  • 負荷テストを行い、アクセスが集中するピーク時の状況をシミュレーションすることで、サイトのどこで遅くなるのかなど問題になりそうな部分を事前に確認できます。

 

ギフト需要に対応したサイトづくりも重要です:

  • ホームページの目立つ位置に、ホリデーシーズンのプロモーション情報を掲載すると、訪問者の関心を引きやすくなります。
  • 商品ページを「男性向けギフト」「子ども向けギフト」などカテゴリー別に整理すると、欲しい商品が見つけやすくなります。
  • 顧客が欲しい商品のリストを作成したり、保存機能を提供すると、購入のしやすさが向上します。

 

その他のECサイトに必要な機能については、専用ガイドでチェックすることができます。

5. モバイル対応も忘れずに

ネット通販使用者の91%がスマートフォンを利用していると言われています(2)。だからこそ、ECサイトは小さな画面でも快適に使えるよう最適化しておくことが重要です。

  • 大きめのフォントやボタンで見やすくする
  • 不要なログインやポップアップを減らす
  • 入力フォームの項目は可能な限り少なくする

これらの要素は、モバイルコマースを成功させるために欠かせないポイントです。

 

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6. 環境にやさしい取り組みをしっかり伝える

サステナビリティは、もはや一部の関心層だけの話題ではありません。多くの消費者が、より意識的な購買行動を取る傾向にあります。だからこそ、環境に配慮した輸送や梱包材の使用など、環境方針はウェブサイト上で明確に伝えましょう。このような情報が、競合他社ではなく貴社を選んでもらえる決め手になるかもしれません。

7. 梱包資材をマーケティングツールとして活用する

梱包の主な目的は商品を保護することですが、それだけではありません。丈夫で輸送に適しており、返品時にも開閉しやすいことが求められる一方で、強力なマーケティングツールにもなり得ます。スタイリッシュで工夫されたパッケージや、パーソナライズされたメッセージ、ブランドストーリーを添えることで、顧客の購買体験に付加価値を与えることができます。

また、オンラインショッピングにおいて、環境への配慮を重視する消費者が増えていることも忘れてはいけません。梱包資材の再利用のしやすさ、分解にかかる時間、必要なエネルギー源、入手のしやすさなど、それぞれの特性を理解したうえで、環境にやさしい梱包材の使用を検討しましょう。さらに可能であれば、使用済みの梱包材を返送することで割引を受けられる仕組みを導入し、回収・再利用することも一つの方法です。

8. 海外のサプライヤーとはこまめに連絡を取る

8. 海外のサプライヤーとはこまめに連絡を取る

コスト面から、海外のメーカーに製品や資材を発注するのは一般的な手法ですが、現在のグローバルサプライチェーンは以前にも増して不安定です。

海外の製造業者に依存している場合は、ピークシーズン前後を含め、定期的なコミュニケーションが不可欠です。発注状況について、週に数回はサプライヤーと連絡を取り、納期の遅れやトラブルが発生した際には、迅速に対応できる体制を整えておきましょう。

また、ひとつのサプライヤーに依存してしまうことはリスクが伴います。複数のサプライヤーを確保しておくことで、予期せぬ事態が起きた際のリスクヘッジが可能になり、ピーク時の生産ラインにおけるボトルネックも軽減できます。 

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9. 業務プロセスを効率化する

サプライチェーンのプロセスを整えることは、ピークシーズンに限らず、年間を通じてECビジネスには重要です。
注文管理システム(OMS)を導入すれば、販売、注文、在庫、配送などの情報を各システムから集約・監視し、より早く、より低コストで商品を顧客に届けることが可能になります。

最終的に、柔軟性のあるサプライチェーンこそが強いサプライチェーンと言えます。OMSは、注文のキャンセル、在庫数の変動、配送の遅延などを即座に通知してくれるため、状況に応じて迅速に対応することができます。 

10. 人員計画は早めに立てる

倉庫業務や予備の保管施設の運営に追加スタッフが必要になる場合は、できるだけ早く採用活動を始めましょう。早期に採用することで、チームの受け入れやトレーニングに十分な時間を確保でき、注文処理を効率的に進める体制を整えることができます。可能であれば、ピーク時の需要を想定した負荷テストを事前に倉庫で実施しておくと安心です。
効率的な注文処理と顧客対応こそが、リピーターを生む最大の要因です。

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11. 柔軟な配送オプションを提供する

ピークシーズンには業務が多忙を極めますが、顧客が最も重視するのは「配送」です。便利で柔軟な配送方法を求める顧客は多く、それが叶わなければ、競合他社に流れてしまう可能性もあります。
そのような時こそ、オンデマンド配送を提供できる信頼性の高い物流サービスとの連携が、中小企業にとって大きな強みになります。DHL Expressの「オンデマンドデリバリーサービス」なら、顧客が希望する日時・場所での受け取りを選択でき、配送状況もリアルタイムで追跡可能です。こうしたサービスは、顧客満足度の向上と競争力の強化につながります。

「DHL Expressは、年末の繁忙期においても、お客様にとって“選ばれるパートナー”であり続けることをお約束します。柔軟な国際ネットワークにより、高品質なサービスと安定した輸送能力を提供し、消費者ニーズの変化にもリアルタイムで対応できる体制を整えています。また、デジタルツールの活用により、顧客体験の向上や集荷・配送の最適化も支援しています。」(DHL Express CEO - ジョン・ピアソン)

 

12. 返品対応をビジネスに活かす

返品対応は手間がかかるものですが、顧客にとってストレスのないスムーズな体験を提供することが、再購入につながる重要な要素です。そのためにも、明確でわかりやすい返品ポリシーを整備しておきましょう。

たとえば、顧客が返品する品を宅配ロッカーに預けられるようにすれば、物流パートナーが一括で回収できるため、コスト削減とCO₂排出量の削減の両方に貢献できます。

そもそも返品を減らす工夫も可能です。商品ページに詳細な情報や高品質な写真・動画を掲載することで、顧客が購入前に商品を正確に把握できるようにしましょう。

13. アフターセールス戦略は事前に立てておく

ピークシーズンには新規顧客が増える可能性があります。だからこそ、彼らに再び購入してもらえるよう、今のうちからアフターセールス戦略を準備しておくことが大切です。

感謝の気持ちを込めたメールを送るのは好印象につながりますし、フィードバックを募ることでサービス改善にも役立ちます。さらに、フォローアップメールで関連商品をおすすめしたり、次回購入時に使える割引を提供したりすることで、ブランドと顧客とのつながりを強化し、再購入の可能性を高めることができます。

 

 

この記事がピークシーズンの準備や日々のEC運営に役立てば幸いです。効率的な物流や顧客対応で、ビジネスの成長につなげていきましょう。

 

中小企業向け物流に関するよくある質問

EC事業者や実店舗の小売業者にとって、ピークシーズンは一年で最も忙しくなるセール期間です。通常、ブラックフライデー(今年は11月29日金曜日)から始まり、サイバーマンデー(12月2日月曜日)、そしてクリスマスへと続きます。さらに近年では、中国の「独身の日」(11月11日月曜日)も世界的に注目されるようになっており、中国市場に限らず、グローバルに販売する企業にとっても重要なセール期間となっています。
このため、セールスカレンダーに加えておくと便利です。

また、多くのEC事業者が年々早めにセールを開始し、購買意欲の高まりを活かそうとしています。早めの準備を始めることが、ピークシーズンをスムーズに乗り切るポイントです。

2023年3の世界のオンラインのピークシーズンにおける市場規模は、1.17兆米ドルに達しました(3)。

ピークシーズンは、実店舗・ECを問わず中小企業にとっても、売上と収益を大きく伸ばす絶好のチャンスです。ホリデーシーズンや特別なイベントによって消費者の購買意欲が高まるこの時期は、売上が大きく跳ね上がる可能性があります。この需要の高まりに対してしっかりと準備をしておけば、売上の最大化だけでなく、新規顧客の獲得やブランド認知の向上にもつながります。

効率的な物流管理は、商品を顧客に時間通り、かつ良好な状態で届けることを可能にし、顧客の信頼やブランドイメージの向上につながります。また、注文処理、在庫管理、配送といった物流プロセスを最適化することで、業務コストの削減や全体的な運営効率の向上も期待できます。

中小企業は、限られたリソースや予算の中で運営されることが多いため、自社のニーズに柔軟に対応できる、コスト効率の高い物流ソリューションが必要です。多くの場合、外部の物流事業者の活用や、テクノロジーを導入して業務を効率化し、生産性を最大化する工夫をしています。ピークシーズン以外の時期でも、安定した物流体制を整えておくことが、長期的な成長につながります。

中小企業は、限られたリソースや予算の中で運営されることが多いため、自社のニーズに柔軟に対応できる、コスト効率の高い物流ソリューションが求められます。多くの場合、外部物流事業者の活用や、テクノロジーを導入して業務を効率化し、生産性を最大化する工夫をしています。

一方、大企業は豊富なリソースと複雑なグローバルサプライチェーンを持っており、スケールメリットを活かして高度な物流インフラに投資することが可能です。これには、大量注文や国際配送に対応するための複雑な配送ネットワーク、倉庫運営、輸送システムの管理などが含まれます。

ピークシーズンの到来に向けて、準備は万全ですか? この時期は、販売機会の最大化と物流対応の両面で、的確な対策が求められます。 DHLでは、貴社の業務をスムーズに進めるための「ピークシーズン対応チェックリスト」をご用意しております。 ぜひご活用いただき、ビジネスチャンスを確実に捉えてください。

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