多くの企業にとって、輸送と配送から生じる間接的な排出量が、スコープ3排出量の大部分を占めるのが一般的です。これは、お客様の物流パートナーが選択する燃料や輸送ルートが、お客様自身の報告排出量に直接影響する要因となることを意味します。
企業のサステナビリティへの取り組みが当然視されるようになった今、「どれだけCO2を削減しているか」だけでなく、「その削減実績をどのようなデータで証明できるか」が問われる時代になっています。どれほど環境への取り組みを進めていても、排出量の算出方法が不明確だったり、データに一貫性がなかったりすると、その成果を十分に説明することはできません。企業活動の中で特に排出量が多く集中する、サプライチェーンの中でも特にScope 3排出量の測定にまつわる最新情報をご紹介します。
これまでのように企業が自主的に排出削減に取り組む段階から、環境やサステナビリティに関する情報を開示する制度へと、段階的な移行が進んでいます。近年では、投資家、金融機関、顧客企業などが企業を評価する際に、温室効果ガス排出量の情報も重視するようになっています。
従来、多くの企業は自社施設や車両から発生する排出量(Scope 1)や、購入した電力による排出量(Scope 2)の把握を進めてきました。しかし現在は、それだけでは十分ではありません。原材料の調達から製品の輸送、販売後の利用までを含めたサプライチェーン全体の排出量、すなわちScope 3の把握が求められるようになっています。
実際、多くの企業において、総排出量の大部分がScope 3に該当すると言われています。そのため、自社の取り組みだけではなく、物流会社やサプライヤーを含めたサプライチェーン全体での排出量管理が重要になっています。
この背景には、企業に対するサステナビリティ情報開示の要求が高まっていることがあります。日本でも有価証券報告書におけるサステナビリティ情報の開示が既に始まっており、今後は国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が策定した国際的な開示基準をベースとした開示要件の拡大が予定されています。
日本ではサステナビリティ基準委員会(SSBJ)が2025年3月にサステナビリティ開示基準を公表しており、今後はこのSSBJ基準の適用が進む見込みです。金融庁は、時価総額の大きい上場企業から段階的にサステナビリティ情報の開示を義務化する方針を示しており、将来的には対象企業の拡大も見込まれています。このため、Scope 3を含む温室効果ガス排出量データの管理や、その算定根拠を説明できる体制の構築は、早い段階から準備しておくことが重要です。(日本ではSSBJが2025年3月にサステナビリティ開示基準を公表しており、金融庁は時価総額3兆円以上のプライム市場上場企業を対象に、2027年3月期から段階的な適用を開始する方針を示しています。)
このような流れの中で、Scope 3の排出量データは単なる環境指標ではなく、企業の経営情報として、信頼性や競争力を示す重要な指標として見ることもできます。
一方で、排出量の情報開示に消極的な企業にとっては、以下のようなリスクがあることを考慮しなくてはなりません。
脱炭素化の取り組みとして、「オフセット」と「インセット」という言葉を耳にすることがあります。両者は似ているようで、その考え方は大きく異なります。
このインセットには、企業が説明しやすいという大きなメリットがあります。
単に排出量を相殺するのではなく、実際の物流ネットワークの中で削減を進められる点が評価されています。
SAFは、廃食用油や農業由来の副産物などを原料とする航空燃料です。既存の航空機やインフラを活用しながら利用できるため、航空業界における脱炭素化の有効な手段として期待されています。SAFは従来のジェット燃料と比較して、ライフサイクル全体で最大80%のCO2排出量削減効果が期待できるとされています。航空輸送の配送スピードやサービス品質を維持したまま排出量削減を進められることは、SAFの大きな特長のひとつです。
企業の脱炭素化を進めるうえで、大きな注目を集めているのが、Science Based Targets initiative(SBTi)が公表した新基準 Corporate Net-Zero Standard Version 2.0です。
この新基準では、Book & Claimを含む環境価値証書の活用が、企業の脱炭素化を進める有効な手法として位置づけられています。Book & Claimとは、SAFによる環境価値を証書化し、その削減効果を企業へ割り当てる仕組みです。航空輸送は世界中で複雑につながったネットワークの上で成り立っています。そのため、自社が利用するすべての便に物理的にSAFを搭載することは現実的ではありません。Book & Claimでは、企業がSAFの環境価値を購入し、その削減効果を活用することで、航空業界全体のSAF普及を後押しできます。今回のSBTi認定は、このBook & Claimの仕組みが世界的な脱炭素化の枠組みの中で評価され、その有効性が裏付けられたことを意味します。
GoGreen Plusは、DHL Expressが提供するSAFを活用した排出量削減ソリューションです。DHLの航空ネットワークでSAFを使用し、GoGreen Plusの利用企業は、Book & Claimの仕組みを通じて、自社の国際輸送における排出量削減効果を反映することができます。今回、SBTiがBook & Claimを正式な脱炭素化アプローチのひとつとして認めたことで、GoGreen Plusの考え方は、国際的な脱炭素化の枠組みとの整合性をさらに高めることになりました。SBT認定目標やネットゼロ目標を掲げる企業にとって、DHLのGoGreen Plusは、国際的なガイドラインに沿いながらScope 3排出量削減を進めるための有力な選択肢となります。
輸送スピードや現在の出荷プロセスを大きく変更する必要はありません。GoGreen Plusは、MyDHL+から簡単に利用できます。
これからの時代、企業に求められるのは「排出量を測定すること」だけではありません。そのデータを継続的に管理し、第三者に説明できる形で開示し、さらに削減につなげていくことが重要になります。DHL Expressは、GoGreen Plusを通じて、輸送に伴うCO2排出量の削減と、監査や情報開示に活用できるレポーティングの両面をサポートしています。Scope 3排出量への対応や、より持続可能な国際輸送についてご関心がありましたら、ぜひDHL Expressまでお気軽にご相談ください。
多くの企業にとって、輸送と配送から生じる間接的な排出量が、スコープ3排出量の大部分を占めるのが一般的です。これは、お客様の物流パートナーが選択する燃料や輸送ルートが、お客様自身の報告排出量に直接影響する要因となることを意味します。
カーボンインセットは、例えば輸送にサステナブルな燃料を使用するなど、自社のサプライチェーン内で直接的に排出を削減します。対照的に、カーボンオフセットは、植林など外部の環境プロジェクトに資金を提供することであり、お客様の特定の貨物が排出するCO2量を実際に削減するものではありません。
持続可能な航空燃料(SAF)は従来の化石燃料と比較して、ライフサイクルにおけるCO2排出量を最大80%削減すると言われています。DHL Expressは自社のネットワークフライトにおいて、このSAFの活用を積極的に進めています。