#Eコマース

2026年版 越境ECトレンドレポート|世界29カ国・3万人調査でわかる購買と離脱の理由

Cover page of the report

「海外のお客様にもっと商品を届けたい。でも、送料や関税、返品対応まで考えると、正直ちょっと不安…」越境ECに携わる方なら、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。本レポートは、越境EC経験者だけでなく、これから海外販売を始めたい事業者にも役立つ内容です

DHL「2026年版 Eコマース・トレンドレポート」(世界29カ国・消費者約2万9,000人、EC事業者5,800社対象)によると、越境ECからの離脱理由で最も多いのは「配送オプション」(67%)。さらに、購入者の70%が「配送・返品を信頼できないブランドとは取引しない」と回答しており、価格以上に「信頼」が購買を左右する実態が明らかになっています(本調査に日本は含まれません)。

海外から購入する購入者70%/越境販売を行う企業61%」のドーナツチャート

海外からの購入者70%/越境販売を行う企業61%

越境ECは、もはや一部の大企業だけの話ではありません。世界の消費者の70%が海外の店舗からの購入経験を持ち、45%は月1回以上のペースで越境ショッピングを楽しんでいます。買う側にとって「海外通販はあたりまえ」になりつつある一方で、売る側の準備は、その変化にきちんと追いついているのでしょうか。

この問いに、データで答えようとしているのが、DHLが毎年発表している「Eコマース・トレンドレポート」です。2026年版は、世界29カ国・約2万9,000人の消費者と、5,800社のEC事業者を対象にした調査をもとに構成されており、78ページにわたって、消費者が何を期待し、事業者が実際に何を提供できているかを、両方の視点から突き合わせています。これまで英語版のみで公開されていた本レポートが、この度、日本語版でも読めるようになりました。

本レポートは、世界200以上の国・地域に配送網を持つDHL Expressが、日々の越境配送で得た知見もふまえてまとめたものです。

2026年版 Eコマース・トレンドレポート

2026年版 Eコマース・トレンドレポート

以下リンクよりお申込みいただくと、日本語版レポート(PDF)をすぐにご覧いただけます。

日本語版レポートを今すぐ入手

2026年版レポートでわかること|カゴ落ち・決済・配送・AI活用の最新データ

2026年版レポートは、越境ECに関わる論点を幅広くカバーしています。専門用語が並ぶと身構えてしまうかもしれませんが、ひとつずつひも解いていくと「なるほど」と思えるヒントばかりです。

  • 越境の購買行動:どの国の消費者が、どんな理由で海外から購入しているか
  • カゴ落ちの実態:カートに商品を入れたのに、購入手続きを完了せず離脱してしまう「カゴ落ち」。67%の消費者が「配送オプション」を理由にカートを離脱しているというデータと、その背景
  • 決済の実態:希望する決済手段が使えないと、購入者の62%が購入をやめてしまうと回答。一方、決済手段の充実を重要な要素だと捉えている企業は45%にとどまるというギャップ
  • 配送・返品・自宅外受け取り(Out-of-Home):コンビニや宅配ロッカーなど、自宅以外の場所で荷物を受け取る「OOH」を日常的に利用する消費者はすでに3人に1人(約30%)。7割の消費者が「信頼できない配送・返品事業者とは取引しない」と回答している現実
  • AIの現在地と今後:すでにAIを利用したことがある消費者は28%、企業は63%(UAE91%・マレーシア88%)。一方、5年以内に購買判断をAIに任せてもよいと答えた消費者は29%というデータから、現在の実態と今後の見通しの両方が見える

これらは、越境ECの現場でどこにボトルネックがあり、どこに投資すべきかを判断するための、いわば「生の声」です。

離脱理由のギャップ|「配送」で離脱する買い物客67%、気づいている企業は52%

たとえば下のグラフを見ると、「配送オプション」を理由に離脱する買い物客は67%いるのに対し、それを離脱理由として認識している企業は52%にとどまっています。他の項目でも同じ傾向が見られます。たとえば決済手段についても、希望する決済手段が使えないと購入をやめる購入者は62%にのぼる一方、決済手段の充実を重要視している企業は45%にとどまっています。売る側が思っている以上に、買う側は「配送」と「決済」という購入体験の細部で判断している、ということがうかがえます。

信頼というボトルネック|配送・返品への不安で購入者の70%が離脱

越境ECにおいて、価格の安さは確かに購入のきっかけになります。しかし、最終的に「買う」か「やめる」かを分けるのは、実は信頼です。

レポートによると、季節のセールで小売事業者を信頼できるかという質問に対し、ミレニアル世代・Z世代では60%が「信頼している」と答えた一方、ベビーブーマー世代では42%まで下がりました。年齢が上がるほど、初めて取引する海外の売り手に対する警戒心は強くなる傾向があります。

さらに、購入者の10人中7人(70%)が「配送・返品を信頼できないブランドとは取引しない」と回答しています。コンビニや宅配ロッカーなど、自宅以外の場所で荷物を受け取る「OOH(Out-of-Home)」を日常的に利用する消費者もすでに3人に1人(約30%)にのぼり、「どこで、どう受け取るか」まで含めた配送体験全体への評価が、ブランドへの信頼を左右する時代になっています。「この会社に頼んで、ちゃんと荷物は届くだろうか」「返品したいときに困らないだろうか」——初めて海外通販を利用する人が抱くこうした不安は、決して大げさなものではなく、実際の購買行動を大きく左右しているのです。

Article image

ちなみに、同じ調査では配送・返品のブランドそのものへの信頼度も尋ねており、DHLについては92%の購入者が「信頼している」と回答したという結果も出ています。数字が示しているのは、越境ECにおける信頼とは雰囲気やイメージではなく、日々の配送実績の積み重ねによってつくられるものだ、ということかもしれません。

DHL Expressの越境ECソリューションを見る

AIが変える購買体験|消費者の29%が「AIに購買判断を任せてもよい」と回答

AIは、もはや近未来の技術ではなく、購買行動の一部になりつつあります。消費者の28%が、オンラインショッピングで何らかの形でAIを利用した経験があり、企業側では63%がECプラットフォームで何らかのAIをすでに活用しています(UAEでは91%、マレーシアでは88%に達しています)。

ただし、「AIなら何でも歓迎」というわけではありません。下図の通り、機能別に見ると利用状況ははっきり二極化しています。購入者側では商品レビュー・画像判定(46%)、カスタマーサービス・チャットボット(40%)、価格比較(38%)がすでに定着している一方、音声検索(19%)や商品の自動再注文(22%)、不正検知(24%)は利用経験が低いままです。企業側も同じ傾向で、パーソナライズ体験(63%)やカスタマーサービス(58%)への投資は進む一方、バーチャル試着・サイズ確認(36%)や将来のトレンド予測(42%)は後回しにされています。

購入者は、価格比較やレビュー確認といった「時間を節約してくれる」場面ではAIを歓迎する一方、購買プロセスの主導権は自分で握りたいと考えているようです。応用未来学者のトム・チーズライト氏は、こうした選別的な受け入れ方の背景をこう分析しています。

「オープンソースAIの成長は、日々のさまざまな判断や手間を担ってくれる、本当の意味でのAIアシスタントに対する購入者の期待が高いことを示しています。こうした価値を適切な形で提供できれば、購入者への普及は小売事業者の導入を急速に上回るでしょう」
——トム・チーズライト(応用未来学者)


この「使えるAI」への期待は、今後さらに強まる見通しです。消費者の29%が「5年以内にAIに購買判断を任せてもよい」と回答しており、Z世代33%、ミレニアル世代36%、X世代28%、ベビーブーマー世代16%と、若い世代ほど信頼度が高い傾向があります。世界全体では約3人に1人の購入者が、すでに買い物の際にAIチャットツールを日常的に利用しており、利用率はインド(59%)、UAE(51%)、中国(47%)など新興市場で特に高くなっています。

Utilization of AI

今後5年間で、企業におけるAI活用は拡大すると考えていますか?

企業側の動きも速く、10社中7社(全世界70%、ハイブリッド事業者では73%)が今後5年間でAI活用を拡大すると回答しています。一方、購入者・企業がともに最大の懸念として挙げるのは「プライバシー・信頼性・セキュリティ」(購入者58%、企業60%)です。AIの普及には期待と警戒が同居しており、企業には透明性と正確性がこれまで以上に求められます。

DHL eCommerceのCEO、パブロ・チアーノは、今回のレポート発表にあたり次のようにコメントしています。

「AIは競争優位を超高速で塗り替えています。この新時代を制するのは、スピードを優れた顧客体験に変えられる企業です」
——パブロ・チアーノ(DHL eCommerce CEO)

越境ECの現場で言えば、AIはまだ「魔法の杖」ではありません。事業者にとっての次の一手は、AIをどこまで前面に出すかではなく、購入者が主導権を握りたい場面を見極め、そこにAIを「控えめに」実装することだと言えるでしょう。

越境ECのネクストアクション|レポートを海外展開の武器にする

越境Eコマースは、感覚や勘だけで進めるにはリスクが大きい分野です。29カ国・3万人超の一次データに基づいた本レポートは、これから海外展開を検討する事業者にとっても、すでに越境ECを手掛けている事業者にとっても、戦略の精度を上げるための材料になります。

「2026年版 Eコマース・トレンドレポート」は、以下からダウンロードいただけます。世界の消費者と事業者のリアルな声を、ぜひ、御社の事業成長にお役立てください。

Article image

以下リンクよりお申込みいただき、最新の越境ECデータを、御社の海外ビジネス戦略に活かしてください。

今すぐ日本語版レポートをダウンロード

*本記事の統計データは、DHLが2025年12月15日から2026年2月11日にかけて実施した調査(29カ国、消費者29,000人・事業者5,800社対象)に基づいています。

*エグゼクティブ・有識者コメントは、以下資料からの引用です。

- DHLプレスリリース(日本語版・2026年6月11日)

2026年版 Eコマース・トレンドレポート