国境を越えて安全に運ぶために、特別な許可や決まった梱包方法、限定された充電状態などが求められる商品のことです。具体的には、リチウム電池、香水、そして今年から新たな安全規則の対象となった一部の健康食品が含まれます。
国際配送では、規制対象品への対応ひとつで、海外展開がうまくいくかどうかが大きく変わってきます。製品の成分やバッテリーの種類をほんの少し見落としただけで、荷物が現地で差し止められたり、思いがけない罰則につながることもあります。複雑なコンプライアンス対応を競争力に変えるために、まずは自社の製品カタログに潜むリスクを洗い出すところから始めましょう。
禁止品とは、安全上または法律上の理由から、どのような条件でも輸入が認められない品目を指します。一方、規制品は、正しい許可や手続きを踏めば発送できる品目です。規制品には大きく分けて2種類あり、政府発行の許可証や証明書が必要なもの(骨董品、種子、医療機器など)と、IATA(国際航空運送協会)の梱包・ラベリング規則への準拠が求められる「危険物」(リチウム電池、香水、エアゾールなど)があります。この違いを理解することが、トラブルを防ぐための第一歩になります。
カテゴリー | ステータス | 例 | 要件 | |
禁止品 | 輸送不可 | 偽造品、違法薬物、象牙製品 | 例外なく取り扱い不可 | |
規制品 | 一般規制品 | 条件付きで輸送可能 | 骨董品、種子、医療機器 | 政府発行の許可証や証明書が必要 |
条件付きで輸送可能 | リチウム電池、香水、エアゾール | IATAの梱包・ラベリング規則への準拠が必要 | ||
この違いを把握していないと、荷物が税関で差し止められ、最終的に廃棄されてしまうこともあります。たとえば偽造ハンドバッグは禁止品として没収されますが、18世紀の骨董品は規制品にあたるため、輸出ライセンスがあれば発送可能です。
多くのEC事業者は、自社の主力商品である香水やマニキュアが、実は危険物に分類されると知って驚くことがあります。高級香水の多くはアルコールベースで、UN1266(クラス3:可燃性液体)に分類されます。溶剤ベースのマニキュアも同様のカテゴリーに当たります。こうした製品を輸送する際は、メーカーが発行する安全データシート(SDS:Safety Data Sheet)を確認し、危険物該当性や必要な手続きを把握することが重要です。
なお、危険物に該当する品目の輸送可否や条件は、輸送事業者や契約内容、発送元・発送先などによって異なります。DHL Expressで取り扱い可能な品目については、MyDHL+の「発送のアドバイス」内にある「DHL Express 禁制品目」ページをご確認ください。
電子機器の発送ルールは、最新のIATA規則によって以前より厳格になりました。2026年1月以降は、機器と同梱するリチウムイオン電池を含む対象品目について、航空輸送時の充電状態(SoC)を30%以下に管理することが求められています。ただし適用範囲は電池の梱包形態や容量、発送先の国・地域によって異なります。
MyDHL+には、必要な申告事項を案内するバッテリーウィザード機能*1が組み込まれており、機器に内蔵・付属しているバッテリーの正しいUN番号を確認しやすくなっています。2026年のバッテリー対応チェックリストは次の通りです。(*1危険物輸送の事前承認を受けたアカウントにのみ表示される機能)
充電状態を確認する:梱包前に、工場で充電状態(SoC)が30%未満であることを確認・記録してください。
ワット時(Wh)を確認する:バッテリー容量が100Whを超えていないか確認してください。超える場合は、より厳格な手続きが必要になります。
UN38.3(リチウムイオン電池の国連勧告輸送試験)概要を準備する:税関からいつでも提出を求められる可能性があります。
*DHL Expressで取り扱い可能なリチウム電池の条件については、MyDHL+内の「発送のアドバイス→リチウム電池」ページをご確認ください。
世界共通の安全基準がある一方で、地域の文化・宗教的な背景から、その土地特有の規制が生まれることもあります。ある国では問題なく発送できる商品が、別の国では重大な法令違反になるケースも少なくありません。当社の地域専門スタッフは、一般的なシステムチェックだけでは見落とされがちな、こうした地域特有の情報を提供しています。
例えば、シンガポール向けの発送では、チューインガムが規制対象となる点に注意が必要です。ベトナムでは、中古の電子機器は原則として輸入が認められていません。こうした地域ごとの細かなルールは、各国の禁止・規制品目ページでも確認できます。これらの特殊事情を事前に把握しておくことが、ブランドの信用を守ることにつながります。
*DHL Expressでは、MyDHL+を通じて仕向地ごとの禁制品目情報を確認できます。
食品やサプリメントを海外に発送することは可能ですが、各国の規制に十分注意する必要があります。特に大きなハードルとなるのが、輸入規制や生物安全(バイオセキュリティ)に関するルールです。
例えば、オーストラリアは、生物検疫および医療・健康関連製品の規制が非常に厳しい国の一つです。食品やサプリメントであっても、成分や用途によっては「治療用製品(Therapeutic Goods)」として扱われ、現地規制当局(TGA)の承認が必要になる場合があります。ハーブ系サプリメントでも、未承認成分が含まれる場合は医薬品扱いとなる可能性があります。
DHL Expressの専門チームは、各国規制を遵守しながら安全に発送できるようサポートしています。これらの商品を発送する際は、次の点に注意してください。
規制対象品に関する証明書:植物由来製品や農産品、または木製梱包材を使用する場合、害虫混入を防ぐ目的で、植物検疫証明書や燻蒸処理証明(ISPM15)などの提出が求められることがあります。※すべての食品に必要なわけではなく、品目・仕向地によって異なります。
内容品の正確な申告(成分・用途):通関をスムーズに行うためには、製品の内容(何でできているか・何に使うか)を英語で正確に申告する必要があります。特にインボイス上での品名・成分・用途の明確な記載が重要で、これにより税関がリスク判定や規制該当性の判断を行います。
安全データシート(SDS): 通常の食品では必須ではありませんが、化学成分を含む製品やサプリメントの成分によっては、危険物該当性や成分確認のため、税関からSDSの提出を求められる場合があります。SDSは、製品の成分や安全性情報を示す文書で、国際輸送および規制判定において重要な役割を持ちます。
発送先の国・地域によって異なる規制(特定成分の輸入制限など)も、事前に確認しておきましょう。DHL Expressの無料オンラインツール MyGTS(マイグローバルトレードサービス)を使えば、製品が発送先国の最新の規制に適合しているかをチェックできます。
国際貿易の世界では、「知らなかった」は通用しません。禁止品を発送した場合、通常はお客様の費用負担で荷物が差し止められ、廃棄されます。さらに、危険物を誤って申告してしまうと、商品の価値をはるかに超える行政罰金が科される可能性もあります。
2026年には、危険物の誤申告に15,000米ドル以上の罰金が科されるケースも報告されています。これに加えて、法的費用が発生したり、最悪の場合は発送用アカウントが利用停止になるケースもあります。DHL Expressでは、荷物が出荷国を出る前の段階でこうしたトラブルを避け、お客様のビジネスを守る安全網としての役割を果たしています。
海外展開を進める事業者にとって、いつ確認されても問題のない「監査対応」のカタログを維持しておくことは欠かせません。規制は随時変わるため、最低でも四半期ごとに在庫を見直すことをおすすめします。輸出前のチェックには、次のリストを活用してください。
HSコードを特定する: すべての商品に正確なコードを割り当て、関税や規制の対象になっていないかを確認します。
危険物の有無をスクリーニングする:液体・ガス・バッテリーを含む商品には、二次チェック用のフラグを立てておきます。
取引相手の規制対象チェック:DHLのMyGTS(マイグローバルトレードサービス)を使用して、品目が制裁対象地域への輸出規制に該当しないか確認します。
規制対象品を取り巻く状況は、今後も変化し続けます。だからこそ、信頼できるパートナーと組むことで、複雑なコンプライアンス対応を競争力に変えることができます。
DHL Expressで取り扱い可能な品目や発送条件については、MyDHL+の「発送のアドバイス→何を発送できますか?」から情報をご確認ください。
国境を越えて安全に運ぶために、特別な許可や決まった梱包方法、限定された充電状態などが求められる商品のことです。具体的には、リチウム電池、香水、そして今年から新たな安全規則の対象となった一部の健康食品が含まれます。
香水は一般的にアルコールを含むため、国際輸送において規制対象となる場合があります。輸送可否や条件は、輸送事業者や発送条件、発送元・発送先によって異なります。
2026年以降、対象となるリチウムイオン電池は、航空輸送時に充電状態30%以下であることが求められます。輸送中の発火リスクを抑えるためのルールで、対象となる電子機器は機種や容量によって異なります。
発送先の国で承認されていない成分が含まれている場合、税関で差し止められる可能性があります。発送前に、現地の生物安全保障および医薬品関連の規制を確認しておくことをおすすめします。
罰則の内容は国によって異なりますが、2026年時点では、誤申告によって15,000米ドル以上の行政罰金が科されるケースが報告されています。場合によっては、発送用アカウントが一時的に利用停止になることもあります。